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二つの顔を持つ殺し屋

円花にミルクをあげて、縦に抱っこしげっぷさせていると、枕元に置いてある彼のスマホがいきなり鳴り出したから心臓が止まるくらいびっくりした。こんな夜中に誰からだろう。不審に思い手を伸ばそうとしたら、 「出なくていいぞ」 寝ているはずの彼の声がしたから二度びっくりした。 「和真さん起きてたの?」 「今起きたところだ」 むくっと体を起こすとスマホを手に取った。 「最近昼夜関係なくやたらと迷惑電話が掛かってくるんだよね。変なメールも多いし、携帯を変えようと思ったんだけど、家族も増えることだし、少しでも節約して食費とミルク代とオムツ代に回さないと駄目だろう?小遣いをコツコツ貯めて、それで 買い換えることにした。円花を寝かし付けてくるよ」 「ありがとう和真さん。下に寝せると泣き出すから、しばらく抱っこしていなきゃならなくて」 「日々成長しているからね。泣くのは元気な証拠だよ。円花パパっておいで。ママを寝かせてあげよう」 円花を起こさないようにそっと抱き上げる彼。鼻唄を口ずさみながらベビーベットに連れて行ってくれた。

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