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僕のお兄ちゃん

「病気、事故、理由が何であろうと、親を失うことは辛いことだ。心の奥では夕貴さんが恋してたまらないはずだ。まぁ、無理もない。突然母親を失ったんだから。心春は不安だったと思うよ。四季と和真が本当に自分と円花がを愛してくれるのか。だからわざと困らせるようなことをしたり、怒られるような悪戯をしたりして二人を試した。四季と和真は笑顔で心春と円花を迎い入れ、愛情をたっぷり注ぎ、心春と円花をうんと可愛がっている。二人を信じているからこそ、心春はそのことを口に出さないんじゃないかな」 「こはるちゃん、ねえたんだもの」 「そうだな。ハルちゃんみたいにしっかりもののお姉ちゃんになりたいんだもんな」 「うん」 柚原さんに抱っこしてもらうと、あれほどぐすって泣いてばかりいたのが嘘のようにすぐに目を閉じ、うとうとし始めた円花。 「まーちゃん、ねんね」 「起こさないようにしような」 心春を真ん中にして、ベットに三人で横になった。絵本を読み聞かせると、五分もたたず心春も眠ってしまった。

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