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僕のお兄ちゃん
「一太くんたち大丈夫なのかな……」
何気に呟いたら、柚原さんがくすりと笑った。
「不思議なもので、こういうときは兄弟みんなでなぜか一太のところに集まるんだ。ひまちゃんもお兄ちゃんのところに行きたくてギャン泣きだ」
「一太くん大人気ですね」
「オヤジが家にいないときは自分がママと幼い兄弟と大きい兄弟とままたんを守る。一太もオヤジに似て有言実行の男だからな」
思い出し笑いをする柚原さん。
「困ったことにオヤジと、父親代わりでもある地竜にどんどん似てきているんだ」
「将来が楽しみですね」
心春に布団をかけ直しながら彼もくすりと笑った。
「心春も一太くんみたく、四季と円花とベビカズを守る姿が目に浮かぶようです。遥香ちゃんみたく、心春も優しくて頼りがいがある姉御肌の子になってほしい」
「子どもみんな無限の可能性を秘めているからな。みんな大きくなったら誰もままたん、ぱぱたんって近寄ってこなくなるのかな。寂しいが仕方ないよな」
「こはるちゃん、ずーっっと、ままたんとぱぱたんっていくよ」
寝ているはずの心春の声がして。どきっとして心春を見たら、にこにこと満面の笑みを浮かべる心春と目が合った。
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