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僕のお兄ちゃん
目が覚めると、寝起きとは思えないくらい爽やかな笑顔を見せる彼と目が合った。今日も髪がぴょんぴょんと跳ねていて寝癖がすごいことになっている。どうしていつも気付かないのかな?そういうところは無頓着な彼。意外性があって面白い。
「おはよう四季。さっきから何を笑っているんだ?」
顔を覗き込まれどきっとした。
「な、何でもない」
「本当に?」
「うん」
慌てて頷くと、
「朝から元気だね。きみは」
ふっと小さく笑うと、何度となく優しく髪を撫で、頬を撫でくれて。おはようのキスをしてくれた。今朝はいつもより深く口付けられた。
「んんっ……っ」
そのまま肩を抱き締められ、全身を温もりに包まれる。おずおずと抱き返すと、口内に挿し入ってきた舌に柔らかな鼓膜を刺激され、触れあった舌を軽く吸われ、くぐもった声が溢れた。
思わずぎゅっとしがみつくと、
「大丈夫だ」
微かに笑いが聞こえてきた。
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