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僕のお兄ちゃん

「ベビカズも早起きだね。お腹をぽこぽこと蹴っている。まるで焼きもちを妬いて怒っているみたいだね」 お腹に手をあてるとくすりと苦笑いを浮かべた。 「ベビカズにりんって名付けようと思うんだ」 「りん?」 「あぁ。卯月さんたち、パパ友のみんなに色々相談していたんだけど、この名前しかないと思ってね」 枕元に置いてあるスマホに手を伸ばすと、画面を操作して見せてくれた。 そこには凛《りん》の字とともに、清楚な、気品のある、清らかな、可憐な、しっかりとしたイメージがあると書かれてあった。 「凛は男の子の名前でも使えるみたいだよ。元気に産まれてくれれば女の子でも男の子でも俺はどっちでも構わない」 「僕も和真さんと同じでどっちでもいい。凛ちゃんか………」 「嫌なら違う名前を考えるが」 「ううん。和真さんが決めてくれた名前だもの、嫌なわけない。ありがとう和真さん。ベビカズも喜んでるよ」 「どれどれ」 僕の手の上に彼の大きな手が重なっていた。さっきよりもぽこぽこと元気に蹴っている。 「本当だ」 彼が嬉しそうににっこりと微笑んでくれた。

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