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僕のお兄ちゃん

「お名前は?」 「こはるちゃん。にしゃい」 心春が誇らしげに人差し指と中指を立ててチカさんに見せた。 ヤスさんがメモ紙に【こはる(心春)、妹が円花(まどか)。お腹の子は凛(りん)】と書いてチカさんに渡してくれた。 「あら三姉妹?いいなぁ~~」 「いいでしょう。こはるちゃん、ハルちゃんみたいなおねえちゃんになるんだ」 「心春ちゃんならきっとなれるわ」 チカさんが心春の頭を優しく撫でてくれた。 「でね、心春ちゃん。物は相談なんだけど 、ママにハグして、凛ちゃん撫で撫でしてもいいかしら」 「こはるちゃんはいいよ。でもパパがね……」 心春が彼の顔をそっと見上げた。 円花をあやしていた彼。心春に見られていることにまったく気付いていないみたいだった。 「和真」ヤスお兄ちゃんに何度か名前を呼ばれ、ようやく気が付いた。 「もしかして俺ですか?」 「あと誰がいるんだよ」 ヤスお兄ちゃんに苦笑いされてしまった。 「心春どうした?」 「チカおねえちゃんがママをかしてって」 「話しがまったく見えないんだが、何がどうなっているんだ?」 「チカは四季をハグしてお腹を撫でたいそうだ。和真そのくらいいいだろう?」 「チカさんは女性ですし、ヤスさんがそう言うなら」 渋々ながらも了解してくれた。

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