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出来ればこんな形では会いたくなかったのに

「四季、和真と慶悟はじきに降りてくる。もうちょっと待っていられるか?」 青空さんに声を掛けられた。 蜂谷さんと一緒にずっと僕の盾になってくれていた青空さん。 彼が側にいなくて怖かったけど、卯月さんや蜂谷さんや青空さんが側にいてくれたからかな。不思議と怖くなかった。 あの男の子が場を和ませてくれたのかも知れない。 彼が無事に戻ってきて、取り壊され瓦礫の山となってしまった園舎を眺めていたら、 「痛いってば。ちょっと離しなさいよ!私を誰だと思ってるのよ!」 キヨちゃんの声が聞こえてきたからドキっとした。こんな所にいるわけないもの。自分の耳を疑った。 「城、探しモノはコイツか?」 一瞬誰かと思うくらいキヨちゃんはすっかり変わってしまっていた。外国人みたく髪はブロンドに染め、白いコートに厚底のブーツを履き、これだけ離れていても甘ったるい香水の匂いがぷんぷんしていた。 手錠を嵌められたキヨちゃんの袖を掴みずるずると引き摺ってきたのは行方不明になっていた瀧田さんだった。 「息子を誘拐し殺そうとしたコイツを警察に渡せば、海堂は間違いなく失脚する。シェドからこころやすらぎを取り返し、俺が継承する」 「誘拐したって証拠はあるのか?」 「ネットで実況生中継をしたからあとでじっくり見ろ」 「八木田がまゆこのもとに向かうように仕組んだのはお前か?」 「さっきの言葉を返すようだが、俺がやったという証拠があるのか?」 瀧田さんが勝ち誇ったかのようにほくそ笑んだ。

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