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起爆装置
「あの態度では反省しているとは思えないな。自分が何をしたかさえまったく分かっていない」
柚原さんが怒り心頭の様子で姿を見せた。
「ん?どうした?」
「いえ、あの……」
言うか言わないか一瞬迷ったけど正直に言うことにした。
「いつもエプロン姿だから、そ、その……」
「エプロン?」
柚原さんがキョトンとしていると、
「びしっとスーツを着ている姿、俺らもそうそう拝めないからな。柚原、四季を助けてくれてありがとう。四季に何かあったらヤスに顔向けが出来ないところだった」
卯月さんが軽く頭を下げた。
彼も一緒に頭を下げた。
「俺にはぱぱたんのほうが似合っている。肩が凝って仕方がない」
柚原さんが照れたように苦笑いを浮かべた。
その時だった。
「こんなの入れたっけ?」
「昔流行ったおもちゃじゃないか?」
「にしては新しくないか?何かのスイッチみたいだし」
先輩たちがそんな会話を交わしながら僕たちの前を素通りしていった。
卯月さんと柚原さんがそれが何かすぐに気付き声を上げた。
「お前ら間違ってもボタンを押すんじゃねぇぞ!」
「押したら爆発するぞ!」
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