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思わぬ助っ人

両者一歩も引かず睨み合いが続いた。 「おめさんら、邪魔だ。駐車場にたむろしていたら患者さんがうちさ帰れねぇべ。それと救急車が入ってこらんねぇべした。どいた、どいた」 二人の警備員とともに斉木先生が颯爽と現れて。しっしっと手で払った。 「あと三分で救急車が到着すんだ。嘘だと思うなら耳を澄ませてみっせ。それと車椅子マークのところさ車を停めたら駄目だべ。だから車椅子の患者さんがうんと遠くさ停めることになんだべした。最低限のマナーは守ってくんちょ」 斉木先生の言う通りサイレンの音がはっきりと聞こえてきて、救急車とパトカーが一緒に駐車場に入ってきた。 「ヤバイ」 「ずらかるぞ!」 白い集団がパトカーを見た瞬間蜘蛛の子を散らすように慌てて逃げ出した。そのうち数人の男性が車椅子マークのところに駐車していた黒いワンボックスカーに乗り込み車を出そうとしたけど、一台の車が行く手を塞ぐように滑り込んできて急停車した。

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