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チカさんのダーリン
「おやっさん……伊澤さんのことね。アタシの教育係だったのよ。そこでダーリンと出会ったのよ。ここだけの話し、アタシ、ダーリンに一目惚れしちゃったの。このことはダーリンにはナイショにしててね」
チカさんが人差し指を唇の前に立てた。
「男同士だし、自分の想いを封印した。でも、千里に出会って180度世界が変わった。これからは自分を偽らず女性として生きたいとダーリンに相談したら、チカはチカだ。どんな姿になっても俺は何度でもきみに恋をするって。長い片想いにバイバイして、やっと恋が解禁になったの。やだ、もう~~恥ずかしい」
朱色に染まる頬に手をあててキュンキュンするチカさん。
「チカさんと国井さんとても素敵です」
「あら、そう?ありがとう四季」
チカちゃんのお腹にぎゅっと抱き寄せられた。
「四季をアタシの妹にしたい!和真とヤスに頼もっと」
「え?」
ドキリとして顔をあげると、
「千里みたくアタシだって妹が欲しいもん」
チカちゃんが満面の笑みを浮かべていた。
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