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チカさんのダーリン
「四季、また遊びに来るね。バイバイ」
「チカさんも元気で」
「ありがとう」ウィンクされ投げキッスをされた。
国井さんに事情を話して許可をもらって、チカさんと連絡先を交換した彼。
「チカさんから四季のお姉ちゃんになりたいって言われて驚いたけど、チカさんなら四季と姉さんの良き相談相手になってくれると思うんだ」
「か弱いが口癖だが、腕っぷしは強い。バカ力だし、剣道に関しては茨木さんと伊澤から手解きをじきじきに受けたからなかなかの腕前だ。チカが側にいれば鬼に金棒だ」
ヤスさんが彼の肩をぽんと軽く叩いた。
「ちょっと聞き捨てならないことが聞こえたんですけど。誰が鬼ですって?」
一度は閉まったドアがすぐに開いてチカさんが怪訝そうな顔をして彼とヤスさんを睨み付けた。
「何でもない」
「本当に?」
「そんなに疑うなら和真に聞いたらどうだ?」
彼とヤスさんを交互に見るチカさん。ぷぷっと急に笑いだした。
「何がおかしいんだ?」
「ハルくんがね、二人が仲良くやっていけるか心配していたから。その必要はないみたいね。四季をお願いね」
チカさんが笑顔で手を振って帰っていった。
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