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消えた乗客の正体

「お前のお節介やきには反吐が出る。余計なことをしやがって」 モニターに向かって唾を飛ばす槇島さん。 「余計なことだと?」 卯月さんの目がつり上がった。 「サツも死んだ円谷も寄ってたかって一人の少年をイジメて。何が楽しんだか。俺には理解することが出来ない。どんな辛い逆境でも四季は歯を食いしばって懸命に生きてきた。だからこそ俺は四季を身内として迎えた。槇島、大元の元凶はてめえだよ。てめえが四季と長澤夫婦の誘拐と殺害を引き受けなければ、四季はごく普通の人生を歩んでいたはずだ。ひとなみの幸せを噛み締めていたはずだ。それはバス事故で亡くなった多くの被害者遺族も同じだ。てめえは私利私欲のために大勢のひとの人生を狂わせたんだ。それすら気付かないとはな」 卯月さんが話し終えると同時に国井さんともう一人の刑事さん。甲崎さんが入ってきた。

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