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消えた乗客の正体
槙島さんに逮捕状を見せる国井さん。容疑は殺人と未成年者の誘拐と監禁容疑だ。
「瀧田海翔?知らねぇな」
「しらを切るのか?」
「知らねぇものは知らねぇって答えるしかねぇだろう」
「お前のカミさんが海翔を連れて自首してきたぞ。突然息子を失い、同じ年頃の海翔を連れ去り我が子として面倒をみていたと白状した」
「海翔の祖父母はこの世に存在していない。お前の息子は突然死ではなく、お前に殺されたんじゃないのか?」
甲崎さんと国井さんに詰問されも槙島さんは余裕綽々で。知らないと繰り返した。
「おばさんは悪くない。海翔はお前のカミさんを必死で庇っていた。逃げようと思えば逃げられた。逃げなかったのはよその子なのに本当の子のようにおばさんが優しくしてくれるから。自分が逃げたら、おばさんもおじさんに殺されるから一人には出来なかった。俺は海翔の証言を信じる」
ふつふつと沸く怒りを抑え、国井さんが槙島さんを睨み付けた。
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