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はつゆき

特定抗争指定暴力団神政会の有力団体だった宇賀神組が解散届を県警に提出したと夕方のニュースで大々的に報道していた。 「若頭補佐の渋川が来年の一月に数人の手下とともに新たな組織を立ち上げ、昇龍会の傘下に入ることになった。オヤジと俺は運命共同体。死ぬまで一生兄貴に付いて行く。渋川は本気でオヤジにぞっこん惚れているからな。暑苦しいのがまた一人増えるぞ。参ったな」 ヤスお兄ちゃんが頭を掻いた。 「パパ、ママ、ヤスしゃんみて!」 窓を見上げていた心春が興奮したような声をあげた。 「雪か。どうりで寒いわけだ。四季、寒くないか?」 「風邪をひいたら大変だ。半纏を着ろ。俺は暖房器具をハチから借りてくる」 ヤスお兄ちゃんが何度も転びそうになりながらも蜂谷さんがいる菱沼金融に向かった。

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