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家族になってくれてありがとう

「円花、雪だぞ。おじちゃんと一緒に見るか」 ヤスお兄ちゃんが円花を連れてきてくれた。 昔は雪遊びが出来るくらいに雪がたくさん降ったのに。ここ二年は暖冬の影響でほとんど降らなかった。 ピンポンと呼び鈴が鳴り、彼がインターホンを覗くと、 「心春、起きてるか?雪だぞ」 興奮した青空さんの声が聞こえてきた。 「何でフライパンなんだ?」 「腹が減ったから何か作ろうとしたら雪が降って、心春に見せたくて気付いたら外に飛び出していた」 フライパンには雪がこんもりと盛られてあった。 「心春、初雪だぞ」 おっかなびっくり手を伸ばして、指で雪をつんつんする心春。 「うわぁーー、つゅめたい!」 黄色い歓声をあげた。 「青空、タンクトップ一枚で寒くないのか?見ているこっちが寒くなる。頼むから長袖を着てくれ」 「紫さんが俺にセーターを編んでくれている。それ待ちだ。円花雪だぞ」 円花は目をまんまるくして生まれてはじめて見る雪をじっと見つめていた。

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