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サプライズ
橘さんと未知さんが腕によりをかけて作ってくれた料理がテーブルに所狭しと並べてあった。
「ケーキは橘と四季の合作だ」
「ヤスお兄ちゃん、僕はクリームを塗っただけで、あとはなにもしてません」
「そうか?橘がなかなか腕がいい。上手だって褒めていたぞ」
ヤスお兄ちゃんが彼に上を見るように言った。
「もしかしてこのくす玉も一太くんが?」
「あぁ。そうだ。でも青空と亜優が手伝ったからな。何が落ちてくるか分からないぞ」
ヤスお兄ちゃんがふふっと笑った。
「引っ張るときはやさしくね」
「分かったよ、一太くん」
私も引っ張りたい!と心春が両手を伸ばした。
彼が心春を抱き上げて、ざるを合わせて作ったくす玉から垂れている紐を握り、せーので一緒に引っ張った。
くす玉がパカッと割れて、おめでとうの垂れ幕と、折り紙で作った蛙や鶴などいろんなものが本当に落ちてきて、心春がすごい!と両手をぱちぱちと叩き黄色い歓声をあげていた。
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