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もう一組の主役

「菱沼金融に葉書が投函された時間帯に防犯カメラに写っていたフードを目深く被った人物の横顔が丸和電機の派遣社員の男に似ていないかと卯月さんに聞かれて。確認していたら遅くなった」 「主役は最後に現れるものだ。一太、ハルちゃん、心春出番だ」 ヤスお兄ちゃんが声を掛けると、いっせーのでクラッカーをパンと鳴らした。 青空さんと蜂谷さんが手伝ってくれたから、心春も同じタイミングで一緒に紐を引っ張ることが出来た。 「コオおじちゃん、すばるさん、結婚おめでとう!」 「おめでとーー!」 一太くんと遥香ちゃんが二人に大きな箱を渡した。 「え?な、何?」 思わぬサプライズにコオお兄ちゃんと昴さんが驚いてしばらくの間固まっていた。 一太くんと遥香ちゃんが、作戦大成功!と握り拳をつくり、小さくガッツポーズをしていた。 「びっくり箱じゃないからあんしんして」 にこにこと笑いながら一太くんがコオお兄ちゃんと昴さんに声を掛けた。

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