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もう一組の主役

「将来有望な若者を専業主夫としてこのまま埋もれさせておくのは勿体ないと思っただけだ。信孝も遥も同性婚をしているから、いろんな意味でいい刺激になると思うんだ。二人とも面倒みがいいから相談相手になってくれるはずだ。遥というのは、鷲崎組の組長、鷲崎の甥っ子の直矢の父親であり、年上女房だ」 意味がいまいちよく分からずきょとんとすると、 「四季には少し難しかったな。あとでヤスから聞いたらいい」 くすりと苦笑いをされてしまった。 「料理が冷める。食うぞ」 卯月さんがコオお兄ちゃんと昴さんにも料理を取り分けてくれた。 「シェドも瀧田も妙に静か過ぎるのが気になる。またよからぬことを企んでいるとしか思えない。お腹もどんどん大きくなり、足の浮腫やお腹が重くて車椅子で移動するのも一苦労だと思う。だから買い物に行くときは心春と円花はなるべく置いていけ。立っている者は親でも使えとよくいうだろう。ヤスがいないときは事務所にいる鞠家たちや、俺のことも遠慮なく使ってくれ。子どもはみんなの宝物。だから子育てはみんなで協力する。これが菱沼組の方針だ。四季、全然食べていないじゃないか」 ニヤリと悪戯っぽく笑うと、お皿に唐揚げを四つも追加されてしまった。

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