275 / 431
お泊まり会
「この二つのダブルサイズのソファーベッドをくっつけて寝ない?合宿みたいで面白くない?」
仕切りのカーテンをさっと引く昴さん。
心春も円花もあっという間に寝てしまったから、これからは大人の時間だ。
「俺は立っても寝れる」
「ヤスさん、恥ずかしがらずに四季と一緒に寝て下さい」
「和真はどこで寝るんだ?」
「心春の隣が空いているので一緒に寝ます」
「狭くないか?」
「大丈夫です」
「そこまで和真が言ってくれるなら遠慮しないぞ」
「はい。遠慮しなくていいです」
ヤスお兄ちゃんが嬉しそうににこにこと笑みを浮かべながら隣に潜り込んできた。
「ヤスさんに聞きたかったんですが」
「なんだ?俺で分かることなら何でも聞いてくれ」
「一緒に働く遥さんのことです。どんな方なのかなって気になって」
「そう言うと思って明日の朝、菱沼金融に来るように頼んでおいた。直矢は鷲崎の甥っ子でまだ高校生だ。対する遥は十六歳年上。直矢にとって遥は父親であり恋人でもある。大丈夫か?固まってるぞ。たいがいこの話しをするとみんなたまげる。そりゃあそうだよな」
ヤスお兄ちゃんがくすりと笑った。
ともだちにシェアしよう!