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最後にありがとうと伝えたい

「エレベーターの前で突っ立っているのが鷲崎直矢だ。遥が他の男たちと楽しそうに話しているのが面白くないらしい」 「ヤスさん、お口チャックです」 「直矢、客人に挨拶をするのが礼儀だろう」 エレベーターが開いて蜂谷さんと青空さんが仲良く連れ立って下りてきた。 「カミさん同士仲良くするようにとオヤジから言われたから遥は四季と昴に話し掛けたんだ。遥は極度の人見知りだ。声を掛けるにも勇気がいる。たまには頑張ったと褒めてやれ」 「蜂谷さんもお口チャックです」 「直矢、その言葉そっくりお前に返すよ。立ち話もアレだ。中に入れ」 蜂谷さんがドアを押さえてくれた。 「気を付けてな」 「はい。蜂谷さんありがとうございます」 ハンドリムをゆっくりこいで菱沼金融の中に入った。 直矢さんが高校三年生だと聞いて、僕より一歳年下だと聞いて、えぇーーって、そりゃあもうビックリした。

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