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一世一代の告白

「どうするヤス」 「どうするって、俺に聞くな。あ、そうだ。野暮用を思い出した」 その場から逃げようとしたヤスお兄ちゃんの手を弓削さんの大きな手ががっしりと掴んだ。 「オヤジの命令は?」 「藪から棒になんだ?」 「いいから答えろ」 「絶対に従う。オヤジが右と言えば間違っていても右だ」 「ヤス、俺ら付き合おうぞ」 「は?正気か?」 まさに青天の霹靂。 ヤスお兄ちゃんはしばらくの間固まっていた。 「俺のこと嫌いか?」 「嫌いな訳ないだろう。でもな弓削、それとこれとは別だろうが」 「何を訳の分からないことを言ってるんだおめさんは。姐さんみたく照れると真っ赤になるおめさんの顔がこれまためんげえな」 弓削さんが愉しげに笑いながらヤスお兄ちゃんの頭をぽんぽんと撫でると、 「ガキ扱いすんじゃねぇ」 ヤスお兄ちゃんが慌てて手で払った。 「俺にとってヤスは昔も今も目に入れても痛くないくらいめんごいし、大切な存在だ。ヤス」 そこで言葉を止める弓削さん。熱っぽい眼差しでじっとヤスお兄ちゃんを見つめた。

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