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ヤスお兄ちゃんおめでとう
「あの~~大変言いにくいんですが、子供の前です。教育上良くないので、イチャつくなら場所の移動をお願いします」
「子供なんていねぇべした」
「四季さんのお腹の中にいるじゃないですか」
直矢さんの言葉にぎくっとする二人。視線が僕のお腹へと向けられた。その時お腹をぽこぽこと強く蹴られた。あまりの痛さに思わず「痛い」と口にすると、
「大丈夫?」
彼がすぐに戻ってきてくれた。
「うん。凛がねヤスお兄ちゃんと弓削さんにおめでとうって言っているみたいなの。僕と和真さんと子どもたちが幸せになれたのはヤスお兄ちゃんと弓削さんのお陰だから、その二人が付き合うことになって嬉しいの」
そのとき一筋の涙が頬を伝った。
「何で僕泣いているんだろう」
手の甲で涙を拭うと、彼がそっと肩を抱き寄せてくれた。
「卯月さんは先見の明があるんだね。さすがは卯月さんだね」
彼も目を潤ませて嬉しそうだった。
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