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ヤスお兄ちゃんおめでとう!
「オヤジに報告しないと」
佐治さんが呼びに行こうとしたら、卯月さんが入ってきたら驚いた。
「オ、オヤジ、どうしたんですか?」
「弓削に忘れ物を届けに来ただけだ。すぐに帰る」
小さな箱を弓削さんの手にそっと置いた。
「弓削、大事なものを忘れているぞ。遥、直矢、ありがとうな」
卯月さんが後ろをちらっと見ると、心春が一太くんと遥香ちゃんと仲良く連れ立って姿を現した。両手で花束を抱えていた。それを見たヤスさんと弓削さんはようやく状況を把握したみたいで、
「もしかしてオヤジ……」
「最初からそのつもりで二人をここに?」
「弓削がヤスにプロポーズするのを待っていたらいつになるか分からないだろう。俺も未知と四季と同じだ。二人には苦労した分これからは互いに手を取り合い、支えあって幸せになってほしい。そう願っている」
卯月さんの言葉をヤスお兄ちゃんも弓削さんも神妙な面持ちで聞いていた。
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