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ヤスお兄ちゃんおめでとう!
「正月早々めでたいことが二つもあった。一つは副島と昴の結婚。そしてもう一つは弓削とヤスがやっと両想いになった。四人の門出を派手に祝ってやろう」
若い衆のみんなが手分けして缶コーヒーを配って歩いた。
「四季さんもお茶でいい?」
「はい。未知さんありがとう」
未知さんからお茶のペットボトルを渡された。心春もありがとうとちゃんと言えた。
佐治さんは感極まりわんわん泣いていた。
「20年以上苦楽をともにし、酸いも甘いも分けた弓削さんとヤス兄貴がやっと両想いになり嬉しいです」
「佐治泣くな。男だろう」
蜂谷さんが頭をぽんぽんと撫でた。
「そんなことを言われても泣かずにはいられません。弓削さん、俺の大事なヤス兄貴を頼みます」
佐治さんの涙が移ったのか、弓削さんが今まで面倒をみて可愛がってきた舎弟の皆さんも次から次に泣きはじめた。
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