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ヤスお兄ちゃんおめでとう!
「東京で治療を受けていたとき、俺の生きる原動力になっていたのは週一回寄越してくれたヤスと姐さんからの手紙だ。みっとわかんだ。一文字ずつ愛情と優しさを込めて書いてくれてるのが。だから嬉しかった。俺はヤスにいい人がめっかればその人にヤスをくれてやると思っていた。でも、四季みたくその人のことも大切にして俺のことなんか見なくなんじゃねぇか、不安でいっぱいで、だから四季以外には誰にもヤスを渡したくないと思うようになった。オヤジに言われたからじゃない。俺はずっと前からヤスのことが好きだった」
弓削さんがヤスお兄ちゃんの額の髪を左右にわけると、おでこに軽くキスをした。
一太くんと遥香ちゃんにとって見慣れた光景なのかさほど驚く素振りは見せなかった。
「ぼくのパパとママなんか朝から晩までいっつもチューしてるよ」
「ハルちゃんたちがいても、ひまちゃんがないててもチューばっか」
「そうなんだね」
どう返していいか戸惑ってしまった。
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