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ヤスお兄ちゃんおめでとう!
「これが嫁に出す父親の気持ちというものなんだろうな。いつかはこの日が来ると覚悟はしていたんだが、参ったな」
髪をかき上げながら深いため息をついた。
「もしかして柚原さんも、弓削さんのことが好きだったんですか?」
「さぁ~~どうなんだろうな。想像に任せるよ」
作り笑いを浮かべた。
「人情味に溢れ腕っぷしが強くて頼りになる兄貴はどこにいってもモテモテですからね。遥琉も弓削さんも引っ張りだこです」
「いるならいると言ってくれ。びっくりし過ぎて心臓が止まるかと思ったぞ」
「私もこの目でしっかりと見届けたいですからね。子供たちは紗智さんたちにお願いしてきました」
橘さんが感慨無量といった面持ちでヤスお兄ちゃんと弓削さんをじっと見詰めた。
「出会って18年ですか……。やっと、ようやく結ばれて……本当に良かったです」
橘さんの目には涙が浮かんでいた。
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