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二ヶ月後
「やけに暑くないか?」
「そりゃあそうだ。大の大人が五人もいればな」
蜂谷さんが入院するために準備しておいたバックを持ってきてくれた。
「和真、腹が減っては戦ができぬだ。姐さんと橘の手作りだぞ。喜べ」
青空さんが風呂敷で包んだ重箱を彼に差し出した。
「ありがとうございます。みんなで分けていただいてもいいですか?」
「もちろん。足りなければ言え。佐治に頼むから」
「これで十分です」
「そうか?」
青空さんと何気に目が合った。
「それが病院の飯か?」
「はい」
青空さんが興味津々に覗き込んだ。
「青空、それは四季の飯だ。お前はさっきおかわりを四杯もして食ってきたばかりだろう」
ぐぐぐ~~と青空さんのお腹が派手に鳴った。
「育ち盛りだからな。すぐに腹が減るんだ」
「あのな、青空」
蜂谷さんが苦笑いを浮かべた。
「もし良かったら半分こして食べますか?」
鮭のムニエルが食べたいのかな?煮物かな?
「いいのか」
青空さんがにこにこしながら椅子を持ってベットの隣に移動してきた。子どもみたいで面白い。
未知さんと橘さんが作ってくれた夕ごはんのおかずを彼に取り分けてもらいみんなで賑やかに夕ごはんを食べた。
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