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二ヶ月後
「順番を決めないか?」
言い出しっぺはコオお兄ちゃんだった。
「何のだ?」
「凛を抱っこする順番だ」
「なるほどな」
「四季は横になっていていいぞ」
こうしてじゃんけん大会が賑やかにはじまった。白熱する真剣勝負に最初こそ笑っていた彼も固唾を飲んで見守っていた。
「青空、じゃんけん強くないか?」
「そうか?昔から運だけはいいんだ」
勝ったのは青空さんだった。
「順番も決まったことだしそろそろ寝るか。浩太郎とヤスは泊まるのか?帰るのか?」
青空さんと蜂谷さんが慣れた手付きでキャンプ用のマットレスを床の上に敷いた。
「これはエアーマットだ。足で踏んで空気をいれる。なかなか便利だ。ハチに教えてもらったんだ。付き添い用の簡易ベットは腰が痛くなるし俺たちには狭い。交代で寝ずの番だ、斉木には許可は取ったから案ずるな」
コオお兄ちゃんとヤスお兄ちゃんは面会時間が終わるまで病院にいて、明日も朝早く来てくれることになった。
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