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秦誉という男

ギャハハと男性がお腹を抱え笑い出した。 「誰かと思ったらヒサか。相変わらず湿気た顔をして。自分で誘っておいて、被害者面するとはな。大した男だ」 「誉、弟を侮辱するのもそのくらいにしておけ。弟の未来の亭主は鷲崎組の次期若頭に決まった森崎だ。菱沼組だけじゃなく、鷲崎組も敵に回すことになるぞ」 弓削さんが手をすっとかざし合図をすると一斉に飛び掛かり男性を取り押さえた。 「誉さん、これだけは言っておく。僕のことを侮辱するのは一向に構わない。でもね、兄ちゃんが大事にしている未知さんと四季さんを傷つけたり、侮辱することだけは絶対に許さないから」 「は?お前みたいなびびりに何が出来る?兄ちゃんがいないと何も出来ない癖に。笑わすな」 にたにたと薄笑いを浮かべながら久弥さんを見上げる男性。 もう一人の男性が怒り心頭で近付いて来ていることに全く気付いていなかった。

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