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弓削さんの弟さん
「ヤスじいちゃん、飯だ」
紙袋を掲げた。
「だからじいちゃんじゃなくて、ヤスおじさんだ。何度言ったら分かるんだ」
はぁーとため息をつくヤスお兄ちゃん。
「美男美女同士、可愛い赤ん坊が生まれるに違いない。ちなみに聞くが俺も抱っこさせてもらえるのか?案ずるな、陽葵に双子に赤ん坊の抱っこと世話は若葉マークだが任せておけ」
「宋さん、凛が産まれたら是非とも抱っこしてください」
「和真は話しが分かる。さすがは俺のワカの上司だな」
「久弥さん遠慮なくいただきます。宋さんもありがとうございます」
いまいち噛み合わない二人の会話に、ぷぷっと思わず吹き出すと、
「やっと四季の笑った顔を見れた。安心した」
宋さんがにこっと微笑んだ。
「弓削、ヤスをちょっと借りるぞ」
「なんで?」
「なんでって、野暮用があるんだ」
宋さんがヤスお兄ちゃんの手首を掴むと廊下へと連れ出した。
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