325 / 431
ディノンさん
「四季、和真、ディノンから出産祝いだそうだ」
ぽんと分厚い茶封筒を渡された。
「あ、あの……ディノンさんって?」
「宋と覃のボスだ。変態は変態を呼ぶとよく言うだろう」
ポカーンとして首を傾げると、
「間違った。類は類を呼ぶだったな」
にやりと悪戯っぽく笑われた。
「遠慮せずにもらっておけ」
「こんなにたくさんいただく訳にはいきません」
首を横に振った。
「ディノンは姐さんを愛してやまない男だ。姐さんが実の妹のように可愛がる四季のことをずっと気にかけていたみたいだ」
予想もしていなかったことをヤスお兄ちゃんに言われ驚いた。封筒にはお金の他にメモリーカードが入っていた。
「幽霊の正体を知りたがっていただろう?ボスが面白いものを見付けた。詳しくは知らん」
「宋さんありがとう。僕だとすぐに失くすからこれは和真さんが持ってて」
彼に封筒ごと渡した。
彼もコオお兄ちゃんもメモリーカードを不思議そうに眺めていた。
「幽霊は誉さん以外にもいるということか?」
「そうなるな」
彼とコオお兄ちゃんがそんな会話を交わしていたときお腹が急に痛くなった。
ともだちにシェアしよう!