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みんなが待ち望んだ新しい命の誕生

「まだ痛い?」 「ううん、大丈夫」 「そうか。それなら良かった」 彼が背中を優しく擦ってくれた。 「昴さんとおじさん大丈夫かな?」 「征之さんと佐治さんと一緒にいるから心配ないよ」 「佐治さんがいてくれるなら鬼に金棒だね」 「そうだね」 お爺ちゃんとお婆ちゃんはしばらくの間度会さんの家で寝泊まりすることになった。理由までは教えてもらえなかったけど、何かあってからでは遅いとヤスお兄ちゃんがそんなことを漏らしていた。 ヤスお兄ちゃんが実のお兄ちゃんだと分かった。お爺ちゃんとお婆ちゃんに伝えたとき、二人は涙を流し良かったね、と何度も頷いていた。息子がもう一人出来たと喜んでくれた。お爺ちゃんもお婆ちゃんもヤスお兄ちゃんをすごく可愛がってくれる。 「弱い立場の人を狙うなどあってはならない。凛が産まれるまで油断は禁物だって」 僕と凛は海堂のアキレス腱になり得る。だから命を狙う輩がいると卯月さんが話していたことをふと思いだしゾクッと寒気がした。

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