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みんなが待ち望んだ新しい命の誕生

「四季、寝れるときに寝ないと。体が持たないよ」 「うん、それは分かっているんだけど、寝れないの」 「そうか」 彼が布団を掛け直してくれた。 「あのね和真さん」 「ん?どうした?」 心配そうに顔を覗き込む彼と目が合った。 「なんでなのかなって」 「何が?」 「どう説明していいか分からないけど、同じ施設で育って、苦楽を共にした仲間なのになんでたもくんもキヨちゃんも……」 「考えてもしょうがないべ。保と橋本が結婚したとしても、慶悟が焼きもちさ妬いて保を浚って監禁して力ずくで自分のモノにしていたべ。好きって気持ちが暴走すっとおっかねぇぞ。俺は身を持って知った。寝れないなら一緒に飴ちゃんでも舐めるか?」 弓削さんから白い小さな飴を二つずつもらった。 「岳温泉の土産のぶっきり飴だ。うめえぞ」 「ありがとうございます」 ぺこっと頭を下げてひとつ口のなかにいれた。 「美味しい。なんかすごく懐かしい味がする」 「そうだね」 彼と目が合うなり笑みが零れた。

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