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一太くん、ありがとう。本当にうれしい
「りんちゃん、あのね、たいくんとここちゃんは六日がたんじょうびなんだよ」
「え?そうなの?」
「奇遇だな。まさか三日違いとは」
「あとね今日はおひなさまだよ」
「そうだったね。すっかり忘れていた」
「退院したらみんなでお祝いしようって、ままたん言ってた。たのしみにしてて」
「ありがとう一太くん」
一太くんに抱っこされ凛はあっという間に寝てしまった。
「和真さん、りんちゃん返すよ」
「一太くん、さすがね。抱っこが上手だね」
「だってみんなのお兄ちゃんだもの。りんちゃんがふえてうれしんだ。あ、そうだ。四季さんにプレゼントがあるんだった。あれれ?」
両手を見る一太くん。
「どこではなした?」
首を傾げていると、
「一太、これだろ?」
柚原さんが一太くんに紙袋を渡した。
「ありがとうぱぱたん。四季さん、折り紙で作ったんだよ」
一太くんが紙袋から取り出したのは折り紙で作った男雛と男雛だった。子どもたちがみんなで書いてくれたのかな?たくさんのおめでとうが書かれた色紙も渡された。それを見た瞬間嬉しくて涙が溢れた。
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