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初めまして、ぱぱたんだよ

「ドアを開けようとした男にフーが何をしている?禁煙だろ?と声を掛けた。咥えているだけだ。吸ってない。6020じゃないのか?男の声が聞こえて来た」 凛のお世話をしていたら柚原さんからそう言われ、 「それはいつですか?」 「一時間前だから四時だ」 寝ていたから全然気付かなかった。 「男はフーの言葉を理解していた。身長が2メートルもある大男に中国語で声を掛けられたら普通誰だって驚くのに、男は妙に落ち着いていた。それに煙草には火がついていた」 「火、ですか……」 その瞬間、喉を締めつけられているように息が苦しくなった。 「看護師をすぐに呼んだから心配ない。昨夜は救急車のサイレンの音がひっきりなりに鳴っていたから、混乱に乗じてネズミが一匹潜り込んだのかもしれない。面会に一宮夫妻が来ると和真から連絡が入った。仕事が終わったら会いにくるそうだ。それまでおっさんで我慢してくれ」 「おっさんだなんて……柚原さん、まだまだ若いのに」 「そうか?三十六歳を過ぎたら十分おっさんだ」 にやりと笑った。

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