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ぱぱたんより強力な助っ人とは……
看護師さんの手を借りながらだけどなんとか無事にシャワーを浴びることが出来た。柚原さんが彼に頼まれ浴用の椅子を持ってきてくれたから助かった。濡れた髪をタオルで拭きながら休憩スペースの前を通り病室に戻ろうとしたら、
「これってヤバくないか?」
若い男性たちがスマホの画面に釘付けになっていた。
「あの、すみません」
声を掛けつもりなんてなかった。だって凛が待っているもの。でもどういう訳か気付いた時には車椅子をとめて声を掛けていた。
「何かあったんですか?」
「ほら、数か月前に何人かの日本人男性が拉致されて中国に連れていかれた事件があったろ?その宗教法人の本部で銃乱射事件が起きて多数の死傷者が出ているみたいだ」
「嘘……」
にわかには信じられなかったけどネットニュースはごぞってその話題で持ち切りになっていた。そこにはきよちゃんがいるはず。目の前が一瞬真っ暗になった。
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