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弓削さんがいてくれるから心強い
「今日の予定は……」
計画表に目を通す弓削さん。
「十時に沐浴指導と、十四時半に調乳指導か。シャワーはいつ浴びてくるんだ?」
「九時半が空いているみたいなので」
「そうか。なら十時までいればいいか?」
「弓削さんがいてくれるならすごく心強いですが、弓削さんだって一睡もしていないのに悪いです」
「姐さんから直々に四季と凛のことを守ってくれ、側にいてくれと頼まれているんだ。こんなに嬉しいことはない。弾よけ冥利に尽きる。だから気にするな。お、凛が起きそうだ。邪魔すると悪いから外に出てるな」
弓削さんが静かにドアを開けた。
オムツを交換し、まだそんなには母乳が出ないけど、おっぱいを凛の口に含ませながら、ふと外に目をやると、濃い朝靄が静かに広がっていた。
(わぁ~~綺麗~~)
幻想的な光景に思わずため息が漏れた。
シャワーを浴びてタオルで濡れた髪を拭きながら廊下に出ると、
「ここから先は関係者以外は立ち入り禁止です」
「関係者だと何回も言ってるだろ?聞こえないのか」
「面会時間は午後三時からです」
「じゃあ聞くがなんでヤクザみたいなガラの悪い連中が病院の中をうろうろしているんだ。彼らもその関係者なのか?おかしいだろう」
看護師さんたちと男性が押し問答をしていた。なるべく目を合わせないようにハンドリムをこいで素通りしようとしたら、
「俺が用があるのは海堂の娘だ。ここに入院しているはずなんだ」
男性から海堂さんの名前が出てきたからドキッとした。
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