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善は急げ

「斉木、照れくさいと思うが父親に会ってこい。たまには家族水入らずで過ごしたらどうだ?」 斉木先生がギクッとして立ち止まった。 「斉木の父親も医者で、岳温泉にある診療所の院長をしているんだ。惣一郎さんと和江さんが夫婦で営んでいるペンションの近所だ」 弓削さんがそっと教えてくれた。 「真山さんと聡太くん元気かな……」 独り言だから聞こえてないと思ったけど卯月さんの耳にはしっかり聞こえていた。 「そんなに心配なら会いに行ってきたらどうだ?凛も二ヶ月も過ぎればみっちりするし、ゴールデンウィークを家族でのんびりと過ごしてきたらどうだ?俺のほうから惣一郎さんたちに頼んでおくよ」 「卯月さんありがとうございます。和真さんに言ってみます」 「あ、でも待てよ。それじゃあ、ゆっくりやすめないか。俺らも一緒に行けばいいのか。子どもたちは俺と和真に任せて、四季は未知とのんびりまったり過ごしたらいい。そうと決まったら善は急げだな」 卯月さんがさっそく惣一郎さんに電話を掛けてくれた。

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