373 / 431
善は急げ
「昼をまだ食べていなかったから腹が減っただろ?幸何が食べたい?幸が食べたいものを食べて帰ろうな」
「みゆちゃん、ポテト!」
「ポテト?ポテトはいつでも食べれるだろ?はる先生と二人きりでデートが出来るなんてそう滅多にはないんだぞ」
「ポテトがいい!ポテト、ポテト」
ポテトを連呼する幸ちゃん。卯月さんのほうが折れた。
「分かったよ。会計を済ませて、ファーストフード店に寄って帰ろう」
「うん!やった!」
満面の笑みを浮かべてぴょんぴょんと跳び跳ねる幸ちゃん。嬉しくてしょうがない。そんな感じだった。
ポテトはフライドポテトのことだ。子どもたちみんな大好きだ。
「弓削、佐治、三時になるまで四季を頼むな。斉木先生、世話になった。幸帰るぞ」
卯月さんと手を握りスキップしながら休憩スペースの前にあるエレベーターへと向かった。
「風のように颯爽と現れて、風のように去っていったな。オヤジらしいな」
弓削さんがくすりと笑った。
ともだちにシェアしよう!