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ダブルでおめでとう!

「仕事のときは朝夕、伴侶の送り迎え付きなんだって。岩水は慶悟さんと結婚することを須釜製作所の社員全員に伝えて祝福されたんだって。和真さんが社長で良かったって。須釜製作所では性的マイノリティの人たちに配慮した環境作りを率先して行っている。トイレもそうだし、更衣室も。だから入社希望者が多いみたいよ。取材を受けたり、ほかの企業が見学に来たりと、和真さんも忙しいみたい」 「社長がみんなを引っ張ってくれる。社長はバイタリティーがあって、カリスマ性もあってすごい人だ。そんな人を俺は初め、四季を騙す胡散臭いおっさんと疑っていた。悪い大人だと勝手に思い込んでいた」 「岩水くんだけじゃないわ。実は私もよ」 「え?黒田さんも?」 「もしかして初瀬川さんも?」 「だって絶対に怪しいでしょ?絵に描いたよたうな金持ちとイケメンだよ。そんな人が四季に一目惚れするなんて、普通に考えても………」 「十分あり得るよ」 苦笑いを浮かべながら彼が病室に入ってきた。 「し、社長!」 「あ、朝宮さん!」 これにはみんな驚いて一瞬気まずい空気が流れたけど、 「須釜製作所と丸和電機のみんなにも同じことを言われているからさほど気にしてないよ。高校を卒業したばかりの子に30歳のいい年した大人が一目惚れして一瞬で好きになってしまった。未成年に手を出した悪い大人と言われも仕方がない。だって本当のことだから」 彼が笑い飛ばしてしまった。

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