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ダブルでおめでとう!
「お帰り四季」
「お帰り」
おじいちゃんと度会さんがお茶を飲みながら居間で将棋を指していた。
「ただいまおじいちゃん、度会さん。あ、そうだ。度会さんお世話になります」
ぺこっと頭を下げた。
「堅苦しい挨拶はいい。ヨシ先輩とサシで呑んでいた」
湯呑みに入っているのはお茶じゃなくて熱燗みたいだった。
「世間は広いようで狭いとよくいうが、まさにその通りだ。まさかヨシ先輩が和真と四季の爺ちゃんだっとはな。いやぁ~~たまげた」
おじいちゃんは元警察官だ。となると、
「もしかして度会さんも元警察官なんですか?」
間違ったら失礼になると思いつつ、おっかなびっくり聞くと、
「あぁ。そうだ。まだ言ってなかったか?ヨシ先輩とはデカになりたてのころバディを組んでいたんだ。その後ヨシ先輩は第一線を退き、定年退職するまで警察学校で後進の指導に当たっていた。鬼教官で有名だった」
「おじいちゃんの名前は吉彰《よしあき》だよ」
彼が耳元でそっと囁いた。だからヨシ先輩なんだ。なるほど。ようやく納得することが出来た。
卯月さんに部屋に案内してもらった。
「わぁーーすごい」
八畳二間続きの部屋には大きなベットと、陽葵ちゃんが使っていたベビーベットが置かれてあった。
「ここだと日当たりがいいし、庭も見れるから、心春が外で遊んでいても目が届くはずだ」
「卯月さんありがとうございます」
彼と一緒に頭を下げた。
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