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心春、ただいま
「ママ、おかえりーー」
心春の元気な声が聞こえて来て目が覚めた。いつの間にか眠っていたみたいだった。ベットから体を起こすと、心春が勢いよく飛び込んできて、
「ママ~~!」
ぎゅーーっと抱き締められた。
「お帰り心春。ママがいない間、円花のお世話をしてくれてありがとう」
頭をぽんぽんと撫でると、
「うん。こはるちゃんガンバったよ。ママ、ミルクのにおいする」
胸元に顔を埋めると嬉しそうに頬をすりすりさせた。
「和真、言いたいことは分かるぞ。俺も何度も経験してきたからな。いまのうちだけ貸してやれ」
卯月さんに言われ、焼もちを妬いていたことに気付き頬を赤らめる彼。誤魔化すためか、わざとらしく咳ばらいをした。
「心春、ママにうんと甘えたらおやつにしようか?」
「四季もだ。昼飯まだだろ?食べないと体が持たないぞ」
彼と卯月さんはわざわざ僕を呼びに来てくれたみたいだった。
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