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子どもたちからの贈り物
【りんちゃん、たいくん、ここちゃんhappy birthday!!
しきさん、たいいんおめでとうーー!!】
と書かれた横断幕が広間にどーんと飾ってあったから二度吃驚した。
「今夜は無礼講だ。と言いたいのはやまやまだが、小さい子たちもいるから、あまり呑み過ぎないようにしてくれ。ドンチャン騒ぎはなるべく控えてくれ」
卯月さんの言葉に舎弟さんたちが声を合わせて「はい、オヤジ」一斉に返事をした。あまりの迫力にただただびっくりしてばかりいた。
「のみものを入れたら、コップを持ってください」
一太くんたちがコップを手に立ち上がった。
「四季、和真、何を飲む?炭酸以外なら色々あるぞ」
ヤスお兄ちゃんから空のコップを渡された。
「じゃあ、お茶で」
「俺も同じので」
「和真、祝いの席だ。一口くらい呑んだらどうだ?」
「呑んだら間違いなく寝ます。そしたら四季が一人で子どもを三人みることになるので。ヤスさんすみません」
お酒がまったく呑めない彼。
「謝ることはない」
ヤスお兄ちゃんがお茶のペットボトルをコップになみなみと注いでくれた。
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