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子供たちからの贈り物
「ハッピーバースディーりんちゃんは0歳。たいくんとここちゃんは2歳。おめでとーー」
「しきさん、たいいんおめでとー」
一太くんたちが目を見合わせた。
「ゆげさん、ヤスさんもハッピーバースディー。おそくなってゴメンね」
遥香ちゃんと幸ちゃんがヤスお兄ちゃんに花束を、心春が弓削さんにリボンがついた紙袋を渡した。
「じゃあ、かんぱいーー!」
「かんぱいーー!」
まさか自分たちの誕生日を子どもたちが知っているとはこれっぽっちも思っていなかったヤスお兄ちゃんと弓削さん。思わぬサプライズに目を丸くしていた。
一太くんたちは、やったね、成功したね。と小さくガッツポーズをしてハイタッチをしていた。なんとも微笑ましい光景に、彼も卯月さんも、この場に居合わせた全員が幸せな気持ちになれた。
「しきさん、たべて」
「かずまさん、たべて」
「しゅひんはうごかないくていいからね」
「は、はい、分かりました」
料理は子どもたちが運んでくれた。これだけ賑やかなのにも関わらず凛は熟睡していてまったく起きる気配がなかった。
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