395 / 431
凛はいいなぁ~~
「四季仕事に行ってくるよ」
凛におっぱいをあげていたら彼の声が聞こえてきた。
「ちょっと待ってて」
「いいよ、そのままで。円花は橘さんが面倒をみてくれているから心配ないよ」
「見送れなくてごめんね。行ってらっしゃい」
「行ってきます」
頬っぺに軽くキスをされた。彼がちらっと凛を見つめた。
「どうかした?」
「いや、別に。凛が羨ましいなってそう思っただけだから」
「え?」
意味がいまいち分からなくて首を傾げると、
「だってそれもともと俺専用だし。複雑な気持ちだ。ここまで言ってもまだ分からない?」
頷くと、くすっと笑いながら頭をぽんぽんと撫でられた。
「パパ、いくよ~~!おくれるよ!」
心春の元気な声が聞こえてきた。
「今行くから待ってて」
返事をすると、今度は唇に軽くキスをされた。朝からドキドキしっぱなしで。半分頭が寝ていたけどすっかり目が覚めてしまった。
「顔が真っ赤で可愛いね」
愉しそうに笑いながら手を振ると、心春と手を繋ぎ保育所と仕事に向かった。
「朝から仲が良くて羨ましいわ」
彼と入れ違いにおばあちゃんが部屋に入ってきた。恥ずかしくて身の置き場に困ってしまった。
「凛ちゃんが寝たらご飯にしましょうね」
「はい」
おばあちゃんがいオホホと笑いながら窓を少しだけ開けてくれた。心地いい風が気持ち良かった。
ともだちにシェアしよう!