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悪戯大好き円花

段ボールの隣にお座りしてバンバンと叩く円花。 「開けたいの?パパが帰ってくるまで待ってよう。ヤダしないの」 円花がぶんぶんと首を横に振ると口をへの字に曲げて泣き出した。 「あらあら、どうしたの円花」 泣き声に気づいたおばあちゃんが様子を見に来てくれた。 「お父さんが帰ってくるまで待ってられないわよね。ばぁばと一緒に開けようか?ママのお仕事を増やさないように、ちゃんとお片付けしながらね」 透明のプラスチックの衣装ケースを若い衆が持ってきてくれた。 「開けるわよ」 「お願いします」 円花を膝の上に座らせて、一緒にビリビリとガムテープを剥がす二人。 「ペタペタねっぱるのが気になるのかしら」 しかめっ面をする円花。ころころと目まぐるしく変わる円花の愛くるしい表情に、おばあちゃんの目は下がりっぱなしになっていた。 段ボールには女の子の服がこれでもかというくらいぎゅうぎゅうに詰め込んであった。 「実家よりあまり離れていない東京近郊の町に住んでいるみたいと紫さんが話していたわ。やっぱり都会の人は田舎者と違ってセンスが違うわね。お下がりというけど、新しい服が何枚も入っているわ」 円花が得意気な顔でぽんぽんと次から次に出した服を一旦広げてから丁寧に畳んで衣装ケースにしまうおばあちゃん。なんだかすごく楽しそうで、見ている僕まで楽しい気持ちになれた。

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