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緊急事態

「ただいま四季。凛もただいま」 「お帰りなさい和真さん」 「心春と円花は遥香ちゃんとめぐみちゃんと一緒に寝てるから心配はない。絵本を読んでもらっているうちに寝てしまったみたいだ」 「ぜんぜん帰ってこないから心配していたの。見に行きたくても凛がなかなか寝てくれなくて。良かった」 「心春も円花も遥香ちゃんとめぐみちゃんが大好きだからね。片時も側から離れたくないんだと思うよ。円花も心春ばかり可愛がってもらっていると一丁前に焼きもちを妬くみたいだし。俺の悪いところは似てもらいたくないんだけどね」 彼が苦笑いを浮かべた。 「和真さんご飯は?」 「おばあちゃんが準備してくれているから四季は寝てていいよ」 「ごめんね、下に寝かせるとなぜか起きちゃって」 じーっと僕たちを見る視線に彼が気付いた。 「わぁ~~ビックリした。柚原さん驚かせないで下さい」 「悪いな。声を掛けようと思ったんだが、タイミングがなかなか掴めなくてな。四季、温かいミルクでも飲んでこい。凛は任せろ」 「あ、でも……」 凛は僕の腕の中で泣きもせずにじっと天井を見ていた。 「十分でもニ十分でも、和真と話す時間が欲しいだろ?凛ちゃん、おいで」 柚原さんが凛の首を手で支えながらそっと抱き上げた。

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