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玲士さん
キヨちゃんの首には合計で1000万の懸賞金がかけられていて警察と公安が血眼になり行方を追っているということだった。
「卯月さんの話しでは手配書が昇龍会の直参、二次団体全部に回っているみたいだよ。会長の千里さんが、生まれながらにして悪人の赤ちゃんはいない。橋本さんに最後のチャンスを与えたいと。それで殺さず生け捕りにしろと号令を出した」
「真山さんは?」
「これっぽっちも橋本さんには未練はないと。きっぱり断言した。宇賀神組の渋川さんにとっては汚名返上の絶好のチャンスだ。橋本さんを捕まえるべく組員三人を大陸に向かわせたそうだよ」
「卯月さんも誰か向かわせるの?」
「鞠家さんの古い友人が向こうに住んでいるから新しい情報が入れば逐一鞠家さんに連絡が来るようになっているみたいだよ」
彼がそっと優しく抱き締めてくれた。
「寝ようか。疲れただろう」
彼ととりとめの話をしているうちに眠ってしまった。彼の声は子守唄みたく心地がいいがすごく好きだ。
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