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罪を憎んで人を憎まず
「生まれたときから悪人の赤ん坊はいない。罪を憎んで人を憎まず。オヤジと千里の格言だ」
「そ……ら、さん……」
驚いたように目を丸くする十矢さん。
「悪人だった俺にオヤジはやり直すチャンスと罪を償いながら生きるチャンスを与えてくれた。姐さんを殺そうとした俺が姐さんの側にいれるのも、ハチと四季の側にいれるものオヤジのお陰だ。十矢、最後のチャンスを生かすも殺すもお前次第だ」
十矢さんは紬ちゃんをじっと見つめた。
「ーー………俺に、出来ますか?俺はこの手で、たくさんの人を殺し、結のことだって……」
声が震えていた。
「出来るさ」
ぽんぽんと肩を軽く叩く青空さん。
「だって俺に出来た。十矢にだって出来るさ」
ニヤリと笑った。
「十矢、オヤジがなヤツの面倒をみてくれと」
「俺ですか?」
さっきまで誰もいなかったのに。気づいたら青空さんの背後に玲士さんが控えていたから驚いた。気配をまったく感じなかったから尚更だ。
「十矢より少し年下だ」
十矢さんが困惑気味に玲士さんを見つめた。
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