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弓削さんのご両親と初対面

楽しい時間ほどあっという間に過ぎていく。 子どもたちが汗だくになって帰ってきた。 「ここからペンションまでは車で二十分くらいだ。到着したらすぐに風呂に入れよう」 車の中で卯月さんたちが手分けして子どもたちの汗をタオルで拭いてくれた。 やがて雲ひとつない青空の下、放牧された牛たちがのんびりと草を食む光景が見えてきた。鏡ケ池という名前の大きな池の前を通過し、うっそうと生い茂った森の中に蜂谷さんの両親が営むペンションとコテージがひっそと建っていた。 蜂谷さんが急にそわそわしはじめた。それもそのはず、蜂谷さんのご両親が駐車場で僕たちが到着するのを今か今かと待っていたのだ。 「惣一郎さん、和江さんただいま」 「一太くん、めぐみちゃん、優耀くんお帰り。小さい子たちもみんな勢揃いしてるのね。あら、もしかしてあなたが心春ちゃん?」 緊張し彼の服をぎゅっと掴む心春。 「朝宮和真です。いつも蜂谷さんにはお世話になっています。娘の心春です。普段は人見知りしないんですけど」 「初めてだもの、そりぁそうよ。ビックリするわよ。じきに慣れるわ」 ご両親ともに蜂谷さんにとても似ててすごく優しそうな感じだった。会うのははじめてなのに、なんだろう。すごく懐かしく感じた。

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